レビュー

WINGの作った電脳劇画
 WINGのソフトを語るにあたって、どうしても外せないソフトがある。それは同社の製作したMSX用AVG「白と黒の伝説」シリーズで、当作品もその流れを色濃く受け継いでおり、物語上で直接のつながりはないがゲーム中に重要なファクターとしてその名が登場する。複数の作品で同一の世界観を貫いていたのもWINGのソフトにファンが多い理由のひとつだ。

 主人公は食われたり、撃たれたり、追剥されたり、とにかく頻繁に殺される。ストーリー重視の「死なない」AVGが主流を迎えつつあった時代にあえて逆行したかのようだ。それがホラータッチの物語に独特のアクセントを加えている。
 そしてグラフィックには残酷なものも多い。苦手な方は注意が必要。

 画面表示に多重ウインドウ方式を採用し、直前のシーンの映像による余韻を残していたり、マルチ画面による演出を実践していたのは画期的だった。アニメーションも多く、音楽にも力が入れられており、演出技法に対するこだわりが随所に見受けられる。そのこだわりを、人物画や文章表現にも少しばかり向けて欲しかったところだ(プレイすればわかります(笑))。
 WINGのソフトは「霊」や「超能力」等の超自然現象をテーマとしていることが多く、この作品も最後は光と闇の超能力戦争となってしまう(といってもほとんどは地味な戦術合戦)。前半から伏線は張られているものの、突飛な展開だと感じてしまうかもしれない。
 「光と闇の超能力合戦」といっても全体的に流れる雰囲気はけして子供向きではない。購買層としては成人を狙っているのだろう。主人公や登場人物の言動、話の展開からは、「劇画」という単語を思い起こさせる。これはまさにPCゲームの姿を借りた「劇画」なのだ。

 ゲーム進行はスムースで、キーレスポンスも良好。直前の作品『魔界復活』ではユーザーインターフェイスの部分で批判が多かったらしいのだが、見事に改良されている。同じメーカーの作品とは思えないほど(笑)だ。
 同時代のゲームと比べればどうしても一部のグラフィックが見劣りするが、コマンド選択式AVGとしての完成度は低くない。十分に遊べるゲーム。


以下ネタバレ注意

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